訴追委員会

各種資料、統計集

(1) 罷免の訴追をした事案の概要

 判決文は、弾劾裁判所の公式サイト「01.過去の事件と判例」をご覧下さい。

1   [1]  かねてから懇意の弁護士らが、被訴追者の前任地方面に商用等のため旅行するにつき、同弁護士から協力を依頼され、一緒に同方面に旅行したが、その間約1週間、無断欠勤をした。
  [2]  勤務先裁判所において、同弁護士らの商取引に関し、自己名義で商用電報の発受を行う等、自ら同取引について本人同様の振る舞いをし、また、商談が破棄されるや、これを元に戻すべく関係者と種々の折衝をし、さらに、取引の対象となったスルメが重要物資輸送規則違反の物資として警察に摘発されるや、所轄の警察署長らに対し、事件を不問に付するように働きかけた。
 [1]の事実は、裁判官弾劾法(以下「弾劾法」という。)2条1号に該当し、[2]の事実は、同条2号に該当する。
昭和23年  6月 29日 訴追決定
昭和23年 11月 27日 不罷免判決

2   [1]  知人が、闇売りの目的で相当数量の繊維製品を保有しているという疑いで家宅捜索を受けることを探知し、事前にその妻に対し、織物類でもあれば他に隠した方がよい旨申し向け、同人らをして押収の目的物を持ち出させた。
  [2]  同知人から、同人の知り合いが受けた物価統制令違反事件に対する略式命令の事後措置について相談を受けた際、正式裁判の申立てをするよう教示した上、他の裁判官の担当になっている同事件を、適式の方法によることなく、同裁判官との交渉により自己の担当に振り替えさせ、また、その公判において、職権で取り調べた証人が偽証したことが検察庁の調べにより判明した後に、正式裁判が取り下げられていることからすると、証人に偽証を教唆したことも疑われる。
 以上の行為は、いずれも弾劾法2条2号に該当する。
昭和23年 12月  7日 訴追決定
昭和25年  2月  3日 不罷免判決

3   [1]  略式命令請求事件の処理が杜撰になっているのを放置したため、計395件の略式命令請求事件につき、4か月以内に略式命令を被告人に告知することができず、よって、その請求を失効させ、それらのうちの約3分の2については、検察官に再起訴を断念せしめる結果を招いた。
  [2]  白紙の令状用紙に署名押印をし、職員に保管させていたため、被訴追者を通さずに令状が発付され、また、同用紙が庁外に持ち出される結果を招いた。
  [3]  知人から、仲介者に売却代金を横領されて困っているとの相談を受け、同仲介者を裁判所に呼び出して返済方を促すなど、私人間の紛争に介入した。
  [4]  略式命令を送達するに際し、市内に居住する被告人に対しては、郵便の方法によらず、被告人を呼び出して直接送達する方法を採っていたが、数人の被告人が呼出しに応じなかったため、要件を検討することなく勾引状を発付してその執行をさせ、しかも、執行済勾引状を当該記録に編綴させなかったため、職員によって破棄されるという事態を招いた。
[5]  廷吏をして調停事件を取り扱わせ、また、出勤簿への押印を長期間にわたって なさず、転勤に際して一度に行い、さらに、職員の長期間にわたる出勤簿への不押印を放置していた。
 [1]、[2]、[4]及び[5]の各事実は、弾劾法2条1号に、[3]の事実は、同条2号に該当する。
昭和30年  8月 27日 訴追決定
昭和31年  4月  6日 罷免判決

4   [1]  現地調停の帰路、相手方を除く関係者と共に申立人所有のオート三輪車に便乗して旅館に至り、申立人から酒食の饗応を受けた。
  [2]  その後、[1]の事実について所長に投書した者がいることを知るや、相手方の親戚である調停委員方に清酒一升を持参し、相手方への善処を依頼した。
  [3]  同宴席の費用については、全額申立人の支払いに任せていたが、2年以上経過し、しかも、訴追委員会の現地調査を受けた後、被訴追者分及び調停委員分の同費用を急遽申立人に支払った。
  以上の行為はいずれも弾劾法2条2号に該当する。
昭和32年  7月 11日 訴追決定
昭和32年  9月 30日 罷免判決
昭和38年  2月  4日 資格回復決定

5    あたかも検事総長であるかの如く装って総理大臣に電話をかけ、同人に対し、いわゆるロッキード事件に関して虚偽の捜査状況を報告した上、前内閣総理大臣及び自民党幹事長の取り扱い方について直接の裁断を仰ぎたい旨申し向け、その言質を引き出そうと種々の問答を行い、その会話を録音した者があるところ、その録音テープの内容がニセ電話であること、また、その問答が新聞で報道されれば政治的に大きな影響を与えることを認識しながら、東京都内のホテルにおいて、新聞記者2人に同録音テープを再生して聞かせた。
 同行為は、弾劾法2条2号に該当する。
昭和52年  2月  1日 訴追決定
昭和52年  3月 23日 罷免判決
昭和60年  5月  9日 資格回復決定

6    破産事件を担当中、破産管財人である弁護士から、ゴルフクラブ2本、外国製ゴルフ道具1セット、キャディバッグ1個及び背広三つ揃2着の供与を受けた。
 同行為は、弾劾法2条1号及び2号に該当する。
昭和56年  5月 27日 訴追決定
昭和56年 11月  6日 罷免判決
昭和61年 12月 25日 資格回復決定

7    少女3名に対し、同少女らが18歳に満たない児童であることを知りながら、対償として現金を供与することを約束して、児童買春をした。
 同行為は、弾劾法2条2号に該当する。
平成13年  8月  9日 訴追決定
平成13年 11月 28日 罷免判決

8    裁判所職員の女性に対し、その行動を監視していると思わせたり、名誉や性的羞恥心を害したりするような内容の匿名のメールを繰り返し送信し、ストーカー行為をした。
 同行為は、弾劾法2条2号に該当する。
平成20年  9月  9日 訴追決定
平成20年 12月 24日 罷免判決
平成28年  5月 17日 資格回復決定

9    走行中の電車内において、録画状態にした携帯電話機を女性乗客のスカートの下に差し入れ、下着を動画撮影した。
 同行為は、弾劾法2条2号に該当する。
平成24年 11月 13日 訴追決定
平成25年  4月 10日 罷免判決